「一刻者」な人

至高の碁盤追い続ける
宮崎の「 一刻者 ( いっこもん )
伝統工芸の技を守り受け継ぐ
職人の物語

盤師 熊須豊和・健司さん兄弟
「一刻者(いっこもん)」とは
南九州の話し言葉で頑固者のこと。
それは時に責任感が強く
実直な人柄の「職人気質」という
意味でもあります。
2001年の発売以来、
頑固に芋のうまさにこだわり続けてきた
全量芋焼酎「一刻者」と同様に、
伝統の技を守り受け継ぐ職人
「宮崎の一刻者」たちを紹介します。
至高の碁盤追い続ける宮崎の「一刻者」伝統工芸の技を守り受け継ぐ職人の物語

盤師 熊須豊和さん(写真左)
 健司さん(写真右)

宮崎県綾町の「熊須碁盤店」。
盤師の熊須豊和(49)、
健司さん(46)兄弟は、
国内産の良質の榧(かや)と、
職人技にこだわった碁盤を
生み出しています。

熊須碁盤店の碁盤は、
碁石を打ったときの感触が
柔らかくて弾力があり、
タイトル戦で使用されるなど
国内外で高く評価されています。

逸品を生む原動力は
「常に本物を追い求めたい」という
2人の職人魂。
製作は「木取り」という作業から
始まります。
原木の木目を慎重に読みながら
碁盤に適した部分を
チェーンソーで切り出し、
最長で約10年間自然乾燥させます。

碁盤の割れやひずみを防ぐために
底面を彫る「ヘソ掘り」、
盤面に漆を塗った日本刀で
升目を入れていく「太刀盛り」など、
棋士が全身全霊を傾けて戦いを
繰り広げる碁盤の製作は、
やはり真剣勝負。

張り詰めた雰囲気の中、
作業場では「ごまかしの利かない、
逃げ場のない作業」(健司さん)が
続きます。

父親は現代の名工の健一さん(74)。
「父は天才」と2人は口をそろえ、
「名工になってもなお、
まだまだ上手になりたいと思っている」
(豊和さん)
という姿勢に刺激を受けています。

「100年、200年先まで残り、
この職人の技はすごかったと言われる
碁盤を作りたい」
2019年に宮崎県の伝統工芸士に
そろって認定された2人は、
至高の技を追い続けます。
熊須豊和さん(写真右) 熊須健司さん(写真左)

プロフィール

盤師
熊須豊和さん(写真右)
熊須健司さん(写真左)

企画・制作=宮崎日日新聞社営業局

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