俳優 永瀬正敏 宮崎を語る
【前編】永瀬正敏の目に映る「宮崎」
40年という俳優人生を歩み、 写真家としても活躍されている永瀬氏。
その表現力は多くの人の心を魅了し感動させてきました。 一刻者アンバサダーである永瀬氏の目に 故郷宮崎はどう映っているのか話を伺いました。
——故郷宮崎。
イメージ的には太陽燦々、海、山などを思い描く方が多いのではないでしょうか。 もちろんそういった魅力もありますが、地続きの思いや、 長年そこで培われた思いがしっかりある県だと思います。こだわりを持ちつつ、 新しいものを取り入れようとする姿にいつも魅力を感じています。
あと、人が温かいです。 宮崎の方言で、てげてげ※という言葉があるのですが、のんびりしていて、 力をふっと抜きに来てもらうにはいい場所だと思います。
※てげてげとは宮崎で使われる言葉で、「いいかげん」「おおざっぱ」「ほどほど」という意味。
——親父とのエピソード。
映画の撮影で地方へ行った際に、土、緑の匂いを感じると故郷を思い出しますね。 その瞬間、今は実家に一人で暮らしている親父のことを思い出したりします。
東京暮らしが長くなり、街の風景など今はどうなっているのかなと気になったりもします。
特に台風の時期はスマホに災害情報の通知が届くように設定をしていて、 通知が届くとやっぱりドキドキしちゃいます。 すぐにでも連絡をしたいですが、夜中だと親父は就寝時間が早いので、 次の日の朝に必ず「大丈夫だった?」と連絡をしますね。
もっと頻繁に帰りたいですが、車で気軽に帰れる距離ではないので、 ついつい電話だけになってしまいます。
親戚や周りの方も気にかけてくれているので、本当にありがたいです。
——写真家として。
人物を撮る時には、僕と被写体の間にある空気感はすごく大切にします。 最初は色々考えるんですけど、やっぱりカメラの前に立っていただいて、 対峙した際に生まれるコラボレート感を、押し付けるのではなく大事にしたいと思っています。
人物ではないものは、自分の目に映った時に引っかかるというか、 ピンときたものを撮影するようにしています。
一つひとつにこだわりがあるものや、大事にされている風景や 自分のインスピレーションを刺激してくれるものに思わずレンズを向けたくなりますね。
——僕のルーツとして心の中にある宮崎。
写真展や写真集を作らせていただく際に、 自分のルーツを真ん中に置くようにしています。
それは祖父が写真館を営む写真師であったこと。
色んな場所と出会って、写真を撮らせていただく中で、 自分の中にあった宮崎を再発見できることもあります。
ただ僕は観光地を撮ることが少ないので、 そういうのは他の方の作品を見てください(笑)
僕のルーツは「宮崎」というものであるし、 僕の作品には自分の中の宮崎が濃縮されているなと、感じる作品もあります。
ですので、同じルーツを持つ一刻者のアンバサダーにご指名いただけた、 というのは本当にうれしいですね。
―後編に続く―
プロフィール
- 俳優 永瀬正敏
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1966年宮崎県都城市生まれ。 82年のデビュー以来、国内外のさまざまな作品に出演。 国際的に高い評価を得る一方、文化芸術への造詣も深く フォトグラファーとしても活動の幅を広げている。
一刻者 アンバサダー 永瀬正敏
一刻者アンバサダー俳優永瀬正敏さんへのインタビュー記事です。
故郷宮崎、そして一刻者についてのお話をご覧ください。